S500(エスごひゃく)は、本田技研工業がかつて生産、販売していた小型スポーツカーである。

概要

1961年(昭和36年)に、当時の通商産業省が自動車産業の新規参入を制限すべく、自動車業界の再編案を打ち出した。本田技研工業の創業者である本田宗一郎は通商産業省の案に猛反対した。本田宗一郎は通商産業省の自動車産業再編案が成立する前に、四輪車の開発を行うことを本田技研工業の開発陣に指示した。1962年(昭和37年)10月の第9回全日本自動車ショー(今の東京モーターショー)(『絶版日本車カタログ』三推社・講談社、30頁参照)にS360とスポーツ500が展示され、2台とも“来春発売”と発表された。しかし、S360は早期に断念され、スポーツ500がS500として1963年(昭和38年)10月に発売された。発売価格は45万9,000円(1963年6月16日の新聞紙面で価格クイズとして市場調査され、応募数の最も多かった48万5,000円を3万円ほど下回って設定された